◆女性農業者でNPO設立へ◆

農業に生きる全国の女性らが交流する「田舎のヒロインわくわくネットワーク」は八、九の両日、三国町陣ケ岡のおけら牧場で総会を開き、民間非営利団体(NPO20+ 件)設立に向け基本方針を決めた。若者の農業体験交流を進めるネットワークづくりや新しい農業の在り方の提言、食の安全確保を呼び掛ける活動などを積極的に展開する。来年一月の設立を目指し、十月中にも県に認可申請する。

 同ネットワークは、おけら牧場を夫婦で営む山崎さんが、女性農業者の社会的自立を目指し一九九三年に結成。全国集会の開催や雑誌の発刊などに取り組んできた。二〇〇一年には株主の立場から食の流通を監視、支援する「雪印百株購入運動」を展開している。

 NPO20+ 件申請は、山崎さんが一九九九年の世界貿易機関(WTO)閣僚会議に合わせて開かれた非政府組織(NGO)のワークショップに出席したのがきっかけ。NGOやNPOの会員数万人によるデモ行進を目の当たりにした山崎さんは「民間の発言で世界が変わる」ことを確信。食の安全確保の必要性を社会に向け発信しようと、NPO20+ 件設立の準備を始めた。

 NPOは、同ネットワークの中心メンバー三十八人で立ち上げる。▽遊休地で農業をしながらレストランなどを経営する新しい農業形態「ファームトラスト」の実践▽学生らの農業体験を支援するネットワークの構築▽会員の農場や牧場を利用した農業研修▽海外の女性農業者団体との交流―などに取り組む。

 総会には、滋賀や広島、京都などから同ネットワークの理事十五人が出席。山崎さんが設立の趣旨を説明、本年度の事業計画などを決定した。山崎さんは「農業の現場は変わってきている。NPO立ち上げから二、三年の間に、ファームトラストを形にしたい」と話している。


福井新聞 2012年9月8日‎
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